税務調査専門税理士が法人成りと税務調査の関係を解説

個人事業主様の中には『自分はいつ法人化した方が有利なのか?』と悩まれている方も多いと思います。

今回は税理士として、いわゆる法人成り(『個人事業主が株式会社や合同会社を設立し事業を引き継がせる行為』)について、

税務調査との関係を含めお話しさせていただきます。


 

税務調査専門税理士が考える法人成りに対する3つのお悩み

まずは個人事業主様の代表的なお悩みについて3つの側面からご紹介致します。

【悩み1】社会的信用のお悩み

①顧客である個人の方、②得意先や仕入先等のお取引先、③銀行などの金融機関などに対する信用の問題が大きいでしょう。

 

このことは事業を拡大していくと、どこかのタイミングで直面することになるお悩みだと思います。

 

個人事業主の方がどんなに腕が良くても、

 

世間的には法人の方が信用力が高い、と一般的には思われてしまうのです。

 

とりわけ公共工事に参加しようとすると、個人事業主ですと排除されてしまうことが多いです。

 

このことは直接元請けとして入札に参加することが出来ないだけでなく、

 

大手元請けの2次、3次下請けになるにしても、

 

個人事業主ですと元請けの社内稟議(上司の決裁)が通らないため断られてしまうことが多いと思います。

 

【悩み2】事業承継のお悩み

法人成りと税務調査(事業承継)

個人事業主様が将来的にご自身のお子様やご身内の方に事業を引き継がせようと考えるのであれば、

 

法人設立時に登記費用が必要になったり、

 

顧問税理士を雇うことで新たな出費が必要になったとしても、

 

なるべく早目に法人化する、この一択しかないと考えます。

 

事業承継の問題に限っては法人化を悩むことは意味がなく『まずは法人化しなさい』と強く言いたいのです。

 

法人化することで有限責任になりますので、将来的に想定外の損害賠償を負うことになったとしても責任の範囲が出資額(資本金の額)に限定されます。

 

詳細な理由は割愛しますが、法人を設立する際には何点か注意することがあるのですが、

 

お子様が成人しており、ある程度の資力があるのであればお子様ご自身が主要な株主になることをお勧め致します。

 

【悩み3】税金・社会保険のお悩み

個人事業主様の当面のお悩みは、何と言っても税金や社会保険料のことではないでしょうか。

 

法人成りすることによる税金や社会保険料のメリット・デメリットにはどのようなものがあるかというと、

 

【メリット】

■ご身内の方に対し役員報酬を支給可能

☞税法上問題ないことが前提です!

■役員報酬について給与所得控除が可能

☞給与所得は一定の範囲で控除可能です

■法人成り後2年間は消費税納付が不要

☞原則として消費税が2年免除されます

■法人税法では経費の幅が大きく広がる

☞所得税法の必要経費の範囲は狭い

 

【デメリット】

■赤字でも住民税均等割の納税が必要

☞通常ですと年間5万円~7万円です

■従業員の社会保険料を負担する義務

☞1/2(半分)は法人が負担です

■税務調査の可能性が断然高まる!

☞税理士は言わないことが多いです

 

となります。

 

なお最近では新型コロナウイルスの影響で税務調査が控えられているようですが、

 

後述しますが、法人化すると税務調査の内容が厳しくなります。

 

ここで最近の人気記事をご紹介します。ぜひご覧ください。

『新型コロナウイルスと当面の税務調査』

『持続化給付金と税務調査』

『家賃支援給付金と税務調査』

 

税務調査専門税理士がお勧めする法人成りの時期(タイミング)

法人成りのタイミング

ではいつ法人成りするのが良いのでしょうか?残念ながらこの問いに対する絶対的な回答はないと思います。

 

税務調査専門税理士である私でも、ステレオタイプに絶対的な回答を持ち合わせてはいません。

 

そう言ってしまっては身もふたもないので、

 

まずは上で書いた項目を判断基準にしていただくことが大切だと思うのですが、

 

さらに客観的な数値で示すとしたら、

 

■売上金額

■利益(所得)金額

 

この2つは数値を目安にして考えていただいても良いのかな、と思います。

 

■売上金額が1,000万円を超えた時点

これは消費税の申告義務に関連します。消費税の申告義務は2年前の課税売上高を基準にしますので、売上金額が1,000万円を超えた場合には2年後の法人成りを検討する価値があります。

 

■利益(所得)金額が800万円を超えた時点

これは法人税と所得税の実効税率を前提にしたトータルでの税負担の話しになります。所得税はご存知のように累進税率ですので、利益(所得)金額が大きくなると税負担が加速度的に大きくなってしまうのです。一方で法人税は(基本的に)税率が不変となっています。

 

いずれにしても信頼できる税理士などの専門家に相談し、定量的な面についてはシミュレーションを実施することが大切だと思います。

 

普通の税理士が言わない法人成りと税務調査の関係

税務署内の組織の話しで恐縮ですが、所得税の税務調査は個人課税部門、法人税の税務調査は法人課税部門、という部署が各々所掌しています。

 

個人課税部門の主目的は、税務調査よりも年次の大イベントである『確定申告の成功』なのですが、

 

法人課税部門の主目的(税務職員にとって人気の仕事)は、『税務調査』なのです。

 

したがって完全な私見ですが、個人課税部門よりも法人課税部門の方が税務調査が厳しい、と個人的には考えています。

 

この点はあくまで税理士である私の完全な主観になってしまうのですが、法人化を検討する際にはぜひ覚えておいていただければと思います。

 

私自身が経営者ですので結論を言うと、

 

結局のところ個人事業主と法人のどちらが良いか?という質問に対する回答は、

 

個人事業主様としてご自身の現状のビジネスを今後どうしたいのか?ということに尽きると考えています。

 

東京都で事業をされている方であれば、

 

将来的には東京都だけでなく神奈川県、埼玉県、千葉県などの首都圏にも支店を置き全国展開を考えている、

 

経営者としてもっと大きくビジネスをしたいと考えるのであれば、法人を選択することになりますし、

 

逆に現状維持でご自身の生活費を稼げれば良い、というのであれば無理に法人化を選択する必要はないのかな、と感じます。

 

こちらの議論は(定量的でなく)定性的なものですから客観的な数値で比較することは出来ないのです。

 

 

税理士(元国税調査官) 佐川洋一

財務省主税局勤務のほか東京国税局管内の税務署統括国税調査官や国税庁主任税務分析専門官等を経て退官。テレビ出演、新聞・雑誌等メディアに掲載多数。

 

 

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