無申告と税務調査について専門税理士が解説

無申告と税務調査の関係についての記事です。ぜひご覧ください。

【結論】令和5年も無申告者に対し積極的な税務調査を実施

■税務調査官は金融機関等で日々無申告者の実態解明作業を実施している

■無申告者と消費税不正還付にはとくに厳しい税務調査が実施される

■無申告重加算税の税率は追徴本税額の40%と極めて高い税率である

無申告者に対する税務調査

一昔前の令和2年から令和3年にかけて、私の税理士事務所には「今まで無申告だったのですが申告をしたいんです。」という個人業主様や法人経営者様が数多く相談に来られました。

 

詳しく話を聞いてみると、持続化給付金や家賃支援給付金などを申請するためだったりするのですが、

 

申告義務の履行は納税者の義務ですので、申告に向けたご相談であれば素直に喜ばしいことです。

 

令和5年においても引き続き当税務調査専門税理士事務所では、無申告や税務調査で悩んでいる方に対し積極的に税務相談を実施しております。

 

ご相談のみでも全く問題ありません。出し惜しみすることなく無申告や税務調査に関し有益な情報をご提供致します。

 

なお、ご来所のほかZOOM等のオンライン相談にも対応しておりますので、ご遠方の方や新型コロナウイルスが気になる方もお気軽にご相談ください。

別記事:『新型コロナウイルスと当面の税務調査』をぜひご覧ください。

 

さて本題です。長年に渡り無申告であった方も多いのですが無申告であることのデメリットを挙げてみると、

 

住宅ローンを組めない、官公庁の仕事が出来ない、子供を保育園に入園できない、そもそも信用がない、等々様々です。

 

一方で、では何故申告しなかったのかというと、

 

領収書を保存していない、どうせ赤字だから、申告の仕方がわからない、そもそも税金を払いたくない、等々こちらも様々な理由があります。

 

ここでお時間のある方は国税庁が令和4年11月から12月にかけて公表した統計資料を確認してみましょう。

 

これを見ると、税務署がいかに無申告事業者に対し力(チカラ)を入れて税務調査を実施しているかがわかります。

 個人事業主の方はコチラ(9ページ参照)

 法人経営者の方はコチラ(7ページ参照)

 

個人事業主の場合は、

「無申告は、申告納税制度の下で自発的に適正な納税をしている納税者に強い不公平感をもたらすこととなるため、的確かつ厳格に対応していく必要があります。こうした無申告者に対しては、更なる資料情報の収集及び活用を図るなどして、実地の税務調査のみならず、簡易な接触も活用し積極的に調査を実施しています。」

と書かれています。

 

法人の場合は、

「無申告は、申告納税制度の根幹を揺るがすことになるため、資料情報の更なる収集・活用を図り、積極的に税務調査を実施する。」

と書かれています。

 

▶税務調査専門税理士ブログへ

 

 

無申告の税負担と税務調査でのペナルティ

無申告と税務調査

税務調査官は税務調査を実施するに当たり、どのような方を「特に悪質な納税者である」と認識するでしょう。

 

それは、消費税を不正に還付しようとしたり、従業員等の源泉所得税を納めない、といった納税者です。

 

これらの税金は自らが稼いだお金ではなく、あくまで他人から預かったお金なので、当然に税務調査官としては特に厳しく税務調査を実施しています。

 

実は無申告事業者についても、税務調査官は消費税不正還付者や源泉所得税を納めない方と同じぐらい悪質だと感じていることが多いのです。

 

申告義務を知りながら敢えて申告をしなかった場合には、通常の無申告加算税(15%~20%)に代えて重加算税(40%)が課される可能性があります。

 

 ここで一つの例として、以下のような個人事業主の方が税務調査において意図的に申告をしなかったと税務署に認定された場合ですが、

 

  •  年間収入1,200万円
  •  年間利益600万円
  •  少なくとも7年間無申告
  •  領収証は全て破棄

 

トータルでの税負担はどのくらいになると思われますか。

 

驚かれるかもしれませんが、最悪ですと軽く1,500万円を超えるというのが税務調査専門税理士である私の試算です。

 

追徴される税金の種類としては、

 ①所得税(本税、加算税、延滞税)

 ②消費税(本税、加算税、延滞税)

 ③住民税

 ④国民健康保険税

 ⑤個人事業税

 の5種類になるのが一般的です。

 

別記事:『無申告でよくあるご質問』をぜひご覧ください。

 

 

無申告に対する税務調査官の本音

これだけ悪質とみなされてしまう無申告事業者ですが、

 

一方で現場の税務調査官としては、「あまり税務調査をしたくない。」というのが本音です。

 

それは、税務調査を実施し決算書を作成したが赤字になるので結果として一切税金を追徴できない、

 

ということがしばしば起こり得るためです。

 

正直税務調査官としては、多くの時間をかけたにも関わらず税金を追徴できない(言い換えると実入りが無い)のはモチベーションが下がるのです。

 

そうは言っても先に述べたように無申告の事業者を見逃しているわけではありません。

 

むしろ積極的に無申告事業者に税務調査は実施されているのです。

 

税務署の調査計画を立案する立場の国税局は、

 

「おたくの税務署は無申告の税務調査を年間〇件やってください。」と税務署に対し具体的な件数を指示しているのです。

 

この記事をお読みいただいた皆様にお伝えしたいのは、

 

「税務調査官側はありとあらゆる手段で無申告者の把握をしています。」ということです。

 

今まで税務署から何の連絡もないから大丈夫、などと楽観的に考えるのは賢明ではありません。

 

税務調査の対象となってしまうと、追徴本税額が課されるのはもちろんのこと、

 

無申告加算税(場合によっては重加算税)や延滞税といった附帯税が漏れなくついてきます。

 

税務調査前に自主的に申告をすれば加算税率が低くなりますし、何より重加算税の心配がなくなります。

 

無申告の状態で何がきついか、それは皆様ご自身の精神衛生上の問題ではないでしょうか。

 

いつ税務調査官が踏み込んでくるか、そんな心配をしながら事業を続けている方が多いのでは、と思います。

 

税務調査と無申告対応を専門とする税理士であればこそわかること。それは申告を済ますと納税者の方のお顔がみなさん穏やかになるということです。

 

新型コロナウイルス感染症の影響もほぼなくなり、令和5年8月時点では税務署側において積極的に税務調査が実施されています。

 

そのような状況ですので、税理士としては「一刻も早く無申告を解消すべき」と考えています。

 

 

税理士(元国税調査官) 佐川洋一

財務省主税局勤務のほか東京国税局管内の税務署統括国税調査官や国税庁主任税務分析専門官等を経て退官。テレビ出演、新聞・雑誌等メディアに掲載多数。

 

 

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