【インセンティブ制度】
税務調査専門税理士の佐川洋一です。今日は「インセンティブ制度」のお話です。平成30年分確定申告が終わりましたので、その雑感として掲載致します。
最近では外資系企業に限らずインセンティブを導入する企業が多くなりました。従業員の成果に応じ賞与の額を変動させる方法は、最も一般的なインセンティブでしょう。この場合は現金での支給になることから基本的に税務上の問題は生じません。
一方で譲渡制限付株式(RSU)やストックオプションと言われるインセンティブがあります。これらのインセンティブは現物株や株を買う権利での支給になることから、税務上の問題が生じやすいと言えます。
通常の株であれば売却し利益が発生した時点で課税されるのですが、譲渡制限付株式(RSU)や税制非適格ストックオプションの場合は、売却前の保有している段階で給与所得として課税されてしまいます。売却していないため納税資金が無いことから、金額が大きいと計画的に資金を準備していないと大変な場合があります。
弊事務所における平成30年分確定申告の相談事績としては、このようなインセンティブに係るものが散見されました。本来であれば所属する会社が、従業員に対し説明会やパンフレット等で確定申告のやり方を周知することが望ましいのでしょう。しかしながら、税務調査専門税理士である私の事務所に多数相談者がいらっしゃるということは、多くの会社において従業員をサポートする体制が不十分なのかもしれません。