【重加算税】
税務調査専門税理士の佐川洋一です。
今日は、重加算税についてのお話です。
税務調査において、法人経営者、個人事業主が恐れる言葉、
それは、おそらく、
重加算税ではないでしょうか。
通常は、税務調査の結果に基づき修正申告書を提出すると、
追徴本税額の10%(ケースによっては15%)の過少申告加算税が賦課決定されます。
しかしながら、税務調査において隠蔽又は仮装の事実が認められた場合には、過少申告加算税ではなく重加算税が賦課決定されます。
この重加算税ですが、追徴本税額の35%(ケースによっては40%)であり、
法人経営者、個人事業主にとっては、相当の税負担になってしまいます。
そのほか、重加算税を賦課決定される事案になってしまうと、
最長7年まで遡って修正申告書の提出を勧奨されてしまいます。
更に、一度重加算税を賦課決定されてしまうと、金額の多寡にもよりますが、
税務署内でも税務調査の強者で構成されている特別調査担当という部門が所掌することになってしまうことが多いです。
当然に、税務調査のサイクルも短くなり、早ければ3年後に税務調査が実施されてしまいます。
重加算税。税務調査においては極力回避したいですね。
ところで、
重加算税の取り扱いについては、国税庁が定めた「事務運営指針」において具体的な基準が列挙されています。
事務運営指針の内容についてですが、法人税と所得税とでは内容がかなり異なっています。
所得税の事務運営指針に列挙されているのに、法人税の事務運営指針に列挙されていないのが次の内容です。
『調査等の際の具体的事実についての質問に対し、虚偽の答弁等を行い、又は相手先をして虚偽の答弁等を行わせていること及びその他の事実関係を総合的に判断して、申告時における隠蔽又は仮装が合理的に推認できること』
税務署側にとって、何とも使い勝手の良い基準になっている感は否めません。