【税務調査の目的】
税務調査専門税理士の佐川洋一です。
今日は、税務調査の目的、についてお話してみます。
国税通則法が改正され、納税者の予見可能性に資するべく、現在では、
調査官は税務調査の事前通知(通常は電話)の段階で、「税務調査の目的」を納税者に伝えることになっています。
でも、当然ではありますが、調査官は「具体的な内容は一切言いません」。
税務調査の前に具体的な目的を言ってしまったら、はっきり言って税務調査になりませんからね、、、。
では、どんなことを言うかというと、これは「セレモニー」として決まっています。
法人に対する税務調査の場合、「申告所得金額の確認」ですし、
個人事業主に対する税務調査の場合、「申告書記載内容の確認」です。
原則として、これ以上のことは言いません、、、。
実際は、税務調査において仮装隠蔽の事実を把握し、重加算税を賦課決定したい、というのが調査官の本音ですので、
署内での事前の準備調査の段階で、集中的に確認すべき項目について目星を付けています。
例えば、「外注費が多いから集中的に確認する」、あるいは「簿外の銀行口座への入金があるから売上除外の有無を確認する」とか。
まあ確かに、税務調査前にそこまで納税者に言ってしまうと、さすがに税務調査の意味がなくなってしまう気もします。
かと言って、現状のように、「申告所得金額の確認」、あるいは「申告書記載内容の確認」と言われてしまうと、
税理士の立場としては、正直、国税通則法改正の趣旨からして「これってどうなのだろうか?」、と感じてしまいます。