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持続化給付金等と税務調査

今更ですが持続化給付金は課税扱い

現状の税務調査実施状況

【令和2年11月追記】持続化給付金の申請者数が予想以上に多かったことから予算額を3140億円増額するようですが、家賃支援給付金の余剰分を活用するとのことです。

 

令和2年7月に国税局や税務署の定期人事異動が行われてから2カ月が経ちます。東京も少しづづですが涼しさを感じるようになりました。

 

例年であれば人事異動後の数ヶ月後、秋の気配が徐々に感じられるまさにこの時期は新メンバーによる税務調査がピークを迎えるのですが、

 

今年は状況が大きく異なります。この点は別記事をご参照ください。

『新型コロナウイルスと当面の税務調査』

 

今回は、持続化給付金の支給を受けた個人事業主様や法人経営者様にとって最大の関心事である、

 

果たして支給を受けると税務調査が来るのか?についてです。

 

記事の後半で積極的にお話ししていますので最後までお読みいただければと思います。

 

まずは税法のお勉強的な内容で恐縮ですが、

 

非課税となるためには、所得税法や法人税法において、

 

「持続化給付金や東京都感染拡大防止協力金は非課税です」と明確に規定される必要があります。

 

しかしながら、今のところ「是が非でも非課税を勝ち取るんだ!」という積極的な動きはないので、

 

所得税法上は収入として、法人税法上は益金として計上した上で確定申告書を提出する必要があります。

 

持続化給付金や東京都感染拡大防止協力金については、

 

その目的が新型コロナウイルス感染症の影響に対し事業の継続性を支援するものであったり、

 

店舗の休業を補償するというまさに事業に直結する内容であることから、

 

心情的な面は別にしても税法の理屈として非課税にはなり得ない、と財務省主税局は考えているのです。

 

一方で特定定額給付金(いわゆる10万円給付)については、その目的が新型コロナウイルス感染症の影響による生活支援であることから、

 

課税扱いとはなり得ず非課税となるのです。

 

支給を受ける側からしたら出来れば非課税の方がありがたいので、

 

持続化給付金等について今後政治家に対する要望が高まってくれば、非課税として改正される可能性がゼロではないと考えます。

 

結局のところ課税か非課税かは「声の大きな方に従わざるを得ない。税はまさに政治であり理路整然とした理屈なんてない。」と思いますので。

 

結局税務調査は来るのか?

税務署はありとあらゆる機会を捉え税務調査の役に立ちそうな資料を収集しています。税務署が収集する資料には2種類あります。

 

一つは源泉徴収票に代表される支払調書といわれるもので、これは法律で税務署への提出義務が課せられていますので法定資料と言われることがあります。

 

もう一つは法律で税務署への提出義務が課せられていない資料、これは法定外資料と言われます。

 

法定外資料の詳細はここでお話はしませんが「えっ、こんな情報まで!」というものまで収集しています。

 

例えば税務調査のために税務調査官が事業所にやってきた際には、当然に調査対象者本人のことを調べているのですが、並行して取引の相手方の情報、

 

とりわけ外注費や交際費などの経費科目については相手方から受領した請求書や領収書を資料として収集することも税務調査官の大切な仕事の一つなのです。

 

では税務署側が経済産業省(中小企業庁)や、

 

国会で何かと話題の一般社団法人サービスデザイン推進協議会から持続化給付金の支給先等の情報提供を受けることはあるのでしょうか。

 

このことに対する答えは「表向きは税務署が他の役所から情報を貰うことは無いでしょう。あくまでも表向きは。」と個人的には考えています。

 

なお、税務調査官の中には「機動官」と言ってしょっちゅう金融機関に臨場している人がいます。

 

銀行などの金融機関には納税者の取引履歴が集約されていますので、税務調査官が頻繁に足を運ぶのは当然と言えば当然です。

 

そこで何気なくAさんの口座情報を閲覧していると入金欄に「ジゾクカキュウフキングチ100万円」なんてものを見つけたら、

 

税務調査官としては「この人はこの100万円をちゃんと申告しているのかな?」と思うことでしょう。

 

まとめ

当面の税務調査実施方針

顧問税理士を雇っている法人や個人事業主様であれば持続化給金等を申請したことはある程度顧問税理士も認識しているので、

 

簿外口座で受け入れる等をしなければ、これを申告しないというのはあり得ないでしょう。

 

逆に顧問税理士を雇っていない、完全に自分自身で申告書を作成している法人や個人事業主様については、

 

自分以外で持続化給付金の支給を受けたことを知っている人はいない、という方も多いことでしょう。

 

ぜひ肝に銘じていただきたいのは、税務署の情報収集能力は凄いということです。

 

先程「表向きは・・・」と書きましたが、税務署の税務行政も含め「表があれば裏がある」というのが世の常です。

 

意図的に申告しないで重加算税等のペナルティにビクビクするよりは、気持ちよく申告した方が精神衛生上どんなに良いかわかりません。

 

税務調査官がある日突然事業所にやって来て、

 

「持続化給付金を申告してないことは知っているぞ!全ては中小企業庁から情報が回ってるんだ!」とストレートにはさすがに言わないでしょう。

 

たしなみのある税務調査官であれば知らないフリをして、

 

「今年4月の売上は対前年同月比で50%以上減少してしまったんですね。コロナで大変だったのですか?」と外堀から埋めてくるでしょう。

 

もちろん私見にはなるのですが、「持続化給付金等を申告しなかった場合、ストレートにそのことを理由に税務調査が来ることは無いですが、別の理由を根拠に税務調査が来る」ということは十分にあり得ます。

 

偽りその他不正の行為がある場合には時効が7年にもなりますので、申告しないという選択肢は無いのです。

 

残念ながらすでに相当数の不正受給があるでしょう。

【令和2年10月下旬追記】

不正受給首謀者等の逮捕が相次いでいます。お心当たりの方は早めに持続化給付金事務局に対し正直に話をされることをお勧め致します。

 

税金の問題ではないですが、不正受給が明らかになった場合には、

 

返金することはもちろんのこと延滞金の規程や悪質な場合には刑事罰があることも忘れてはいけません。

 

税務調査専門税理士をしていますが、長くやればやるほど感じること、

 

それは適正に申告している人こそが活き活きと事業に打ち込んでいる、ということです。

 

これは私の経験上の結論ではあるのですが、「おそらく間違ってない」とほぼほぼ確信しています。

 

税理士(元国税調査官) 佐川洋一

財務省主税局勤務のほか東京国税局管内の税務署統括国税調査官や国税庁主任税務分析専門官等を経て退官。テレビ出演、新聞・雑誌等メディアに掲載多数。

 

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