事業復活支援金(持続化給付金・月次支援金)と税務調査

令和4年が始まりましたが、再び新型コロナウイルス(とりわけオミクロン株)の新規感染者数が増加傾向に転じています。

 

従前の支援策である持続化給付金や月次支援金の後継施策として、令和4年度においては事業復活支援金が計画されています。

 

今回は事業復活支援金、持続化給付金及び月次支援金に係る税務上の取扱いについてご説明致します。

【結論】事業復活支援金の税務上の取扱いは、持続化給付金・月次支援金と変わらない

■所得税法上は収入・法人税法上は益金としていずれも申告対象である

■ただし消費税法上は不課税取引となるので申告対象外である

■事業復活支援金の受給が税務調査に直結することは可能性として低い

事業復活支援金・持続化給付金・月次支援金は所得税や法人税の申告対象。但し消費税は申告対象外

将来的に事業復活支援金の申請を考えている個人事業主様や法人経営者様、

 

すでに持続化給付金や月次支援金の支給を受けた個人事業主様や法人経営者様にとって、

 

最大の関心事、それは『果たして支給を受けると税務調査が来るのか?』という点ではないでしょうか。

 

記事の後半で積極的にお話ししていますので最後までお読みいただければと思います。

 

まずは税法のお勉強的な内容で恐縮ですが、

 

非課税となるためには、所得税法や法人税法において、

 

「事業復活支援金や持続化給付金(月次支援金)は非課税です」と明確に規定される必要があります。

 

しかしながら、「是が非でも非課税を勝ち取るんだ!」という積極的な国民運動は起きていないので、

 

所得税法上は収入として、法人税法上は益金として計上した上で確定申告書を提出する必要があります。

 

事業復活支援金・持続化給付金・月次支援金については、

 

その目的が新型コロナウイルス感染症の影響に対し事業の復活や継続性を支援するものであることから、

 

心情的な面は別にしても税法の理屈として非課税にはなり得ない、と財務省主税局は考えるのです。

 

一方で過去の特定定額給付金(いわゆる10万円給付)については、その目的が新型コロナウイルス感染症の影響による生活支援であることから、

 

課税扱いとはなり得ず非課税扱いとなるのです。

 

支給を受ける側からしたら出来れば非課税の方がありがたいので、

 

事業復活支援金について今後政治家に対する要望が高まってくれば、非課税として改正される可能性がゼロではないと考えますが、

 

結局のところ課税か非課税かは「声の大きな方に従わざるを得ない。税はまさに政治であり理路整然とした理屈なんてない。」と思います。

 

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事業復活支援金や持続化給付金を貰うと税務調査官が来るのか?

事業復活支援金・持続化給付金と税務調査

税務署はありとあらゆる機会を捉え税務調査の役に立ちそうな資料を収集しています。税務署が収集する資料は大別すると2種類あります。

 

一つは源泉徴収票に代表される支払調書といわれるもので、これは法律で税務署への提出義務が課せられていますので法定資料と言われています。

 

もう一つは法律で税務署への提出義務が課せられていない資料、これは法定外資料と言われます。

 

法定外資料の詳細はここでお話はしませんが「えっ、こんな情報まで!」というものまで収集しています。

 

例えば税務調査のために税務調査官が事業所にやってきた際には、当然に調査対象者本人のことを調べてはいるのですが、並行して取引の相手方の情報、

 

とりわけ外注費や交際費などの経費科目について、相手方から受領した請求書や領収書を資料として収集することも税務調査官の大切な仕事の一つなのです。

 

では税務調査官側が経済産業省(中小企業庁)や電通、

 

あるいは一時国会で何かと話題となった一般社団法人サービスデザイン推進協議会等から事業復活支援金や持続化給付金(月次支援金)の支給先等の情報提供を受けることはあるのでしょうか。

 

このことに対する答えは「表向きは税務署が他の役所から情報を貰うことは無いでしょう。あくまでも表向きは。」と個人的には考えています。

 

なお、税務調査官の中には「機動官」と言ってしょっちゅう金融機関に臨場している人がいます。

 

銀行などの金融機関には納税者の取引履歴が集約されていますので、税務調査官が頻繁に足を運ぶのは当然と言えば当然なのです。

 

そこで何気なくAさんの口座情報を閲覧していると入金欄に「ジゾクカキュウフキングチ100万円」なんてものを見つけたら、

 

税務調査官としては「この人はこの持続化給付金100万円をちゃんと申告しているのかな?」と思うことでしょう。

 

 

【まとめ】事業復活支援金や持続化給付金と税務調査

顧問税理士を雇っている法人や個人事業主であれば事業復活支援金や持続化給金等を申請したことを通常は顧問税理士も認識するので、

 

公表外の簿外口座で受け入れない限り、これらを申告しないというのはあり得ないでしょう。

 

逆に顧問税理士を雇っていない、完全に自分自身で申告書を作成している法人や個人事業主様については、

 

自分以外に事業復活支援金や持続化給付金の支給を受けたことを知っている人が存在しない、という方も多いことでしょう。

 

ぜひ肝に銘じていただきたいのは、税務調査官の情報収集能力は凄いということです。

 

先程「表向きは・・・」と書きましたが、税務署の税務行政も含め「表があれば裏がある」というのが世の常です。

 

意図的に申告しないで税務調査の対象となり重加算税等のペナルティにビクビクするよりは、

 

気持ちよく申告した方が精神衛生上どんなに良いかわかりません。

 

税務調査官がある日突然事業所にやって来たとしても、

 

「事業復活支援金や持続化給付金を申告してないことは知っているぞ!全ては中小企業庁から情報が回ってるんだ!」とストレートにはさすがに言わないでしょう。

 

たしなみのある税務調査官であれば当然に知らないフリをして、

 

「令和3年11月の売上は対前年同月比で50%以上減少してしまったんですね。コロナで大変だったでしょう。事業復活支援金の申請はしなかったのですか?」と外堀から埋めてくるでしょう。

 

もちろん私見にはなるのですが、「事業復活支援金や持続化給付金等を申告しなかった場合、ストレートにそのことを理由に税務調査が来ることは無いですが、別の理由を根拠に税務調査が来る」ということは十分にあり得ると思います。

 

税務調査の結果、偽りその他不正の行為がある場合には課税の時効が7年にもなりますので、

 

くれぐれも事業復活支援金や持続化給付金を申告しないという選択肢は無いんだ、ということを肝に銘じてください。

 

話しは変わりますが、残念ながら持続化給付金においては相当数の不正受給がありました。

 

実際に逮捕者も相次いでいます。お心当たりの方は今からでも事務局に対し正直に話されることをお勧めいたします。

 

税金の問題ではないですが、不正受給が明らかになった場合には、

 

返金することはもちろんのこと延滞金の規程や悪質な場合には刑事罰があることも忘れてはいけません。

 

罰則規定などは当然に事業復活支援金においても踏襲されることは間違いありません。

 

税務調査専門税理士をしていますが、長くやればやるほど感じること、

 

それは適正に申告している人こそが活き活きと事業に打ち込んでいる、ということです。

 

これは私の経験上の結論ではあるのですが、「おそらく間違ってない」と確信しています。

 

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税理士(元国税調査官) 佐川洋一

財務省主税局勤務のほか東京国税局管内の税務署統括国税調査官や国税庁主任税務分析専門官等を経て退官。テレビ出演、新聞・雑誌等メディアに掲載多数。

 

 

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