税務調査官窓際太郎と若手税務調査官はどちらが手強い?

今回は「最強の税務調査官は誰か?」についてご説明いたします。完全に私の主観で書いていますので、お時間に余裕のある時に流し読みしていただけると幸いです。

【結論】最も調査能力が高いのは税務調査官窓際太郎的な方

■税務調査の現場に来るのは統括国税調査官の部下である上席国税調査官以下の方

■若手税務調査官の税務調査能力は両極端(優秀な方と頭でっかちな方)である

■税理士の私自身は税務調査官窓際太郎的な方よりも若手税務調査官が苦手

調査現場に来る税務調査官ってどんな人?

毎年7月は税務調査官にとって一大イベントがあります。それは、

 

7月10日に発令される国税庁・国税局・税務署の定期人事異動です。

 

通常ですと税務調査官は事前に人事異動の内示を受けますので、

 

毎年6月末頃には自分が7月10日以降どこの税務署に異動するのかがわかります。

 

税務署から財務省、国税庁、国税局などの上位官庁への転勤であれば、一般的には出世とみなされますし、

 

逆に、財務省・国税庁・国税局に勤務していた税務調査官が税務署への転勤が決まったりすると、人によっては残念な気持ちになったりするのです。

 

税務調査官も勤め人ですので、自分がどこに転勤することになるかについて気にしている人が非常に多いのです。

 

この定期人事異動なのですが、銀行などの金融機関と同じく、概ね3年程度のサイクルで実施されることが多いです。

 

個人事業主、法人経営者、税理士との癒着を気にしているのかもしれませんが、まあ総じて税務調査官の人達は倫理観の高い人達ですから、

 

癒着などということは無いと思います。(と言っても、時々マスコミ等で残念な事件が報道されることはありますが、、、。)

 

そんな税務調査官の人たちですが、

 

様々な税務調査官の肩書(役職)についてご紹介させていただきます。

 

税務署のトップは、もちろん「署長」という人なのですが、

 

税務調査の場において個人事業主、法人経営者、税理士が、税務署長と直接話をすることは間違いなくありません。

 

税務調査で直接関わることになるのは、

 

偉い順に言うと、統括国税調査官(または特別国税調査官)、上席国税調査官、国税調査官、事務官、という人たちです。

 

その中でも実際に税務調査の現場に来る人は統括国税調査官の部下である、上席国税調査官、国税調査官、事務官、と言った肩書(役職)の人たちになります。

 

▶税務調査専門税理士をもっと知る

 

 

税務調査官の肩書はいろいろある

税務調査官窓際太郎

本ブログのタイトルでは「税務調査官」を使用していますが、税務署や国税局に勤務する調査官の正式名称は「国税調査官」と言います。

 

これらの人たちは、あくまで税務調査を生業としているのですが、

 

国税局や税務署で滞納となった税金(国税債権)を徴収する人たちのことは、「国税徴収官」と言いますし、

 

税務署ではなく国税局限定の勤務になりますが、強制調査を実施する人たちを「国税査察官(通称「マルサ」)」と言います。

 

ここで税務調査において個人事業主、法人経営者、税理士と対峙することになる税務調査官について、肩書別に特徴をご紹介します。

 

統括国税調査官

民間企業ですと「課長」クラスです。通常は税務調査のため外に出ることはありませんが、調査先の選定、調査進捗状況の管理・指導、など税務調査事案の全てを決定しているキーマンです。古いドラマで恐縮ですが「太陽に吠えろ!」のボスである石原裕次郎さんのような人です。

 

上席国税調査官

民間企業ですと「課長補佐」でしょうか。中には税務調査一筋30年という方もいますし、ベテラン調査官である場合が多いです。これまた「太陽に吠えろ!」で恐縮ですが役どころとしては「落しの山さん」かもしれません。

 

国税調査官

民間企業ですと「係長」になります。タイプは千差万別ですが、一番脂ののった血気盛んな人達が多いように思います。中にはキラリと光る鋭い着眼点を持った人もいます。なお最近では定年退職された方が再任用で国税調査官として勤務している人も多いです。

 

事務官

民間企業ですと「平社員」でしょうか。税務署に入って短い人だと1年目、長くても7年目までの人達になります。今の若い方は優秀な人たちが多い反面、お勉強ばかりしてきたんだろうな、と思わせるような人が多いのも事実です。時々、松田優作さんのような「ジーパン刑事」的な粋な人に出会うこともあります。

 

 

最も手強い税務調査官は誰?若手税務調査官vs窓際太郎

さて本題ですが、税務調査官の肩書の中で税務調査専門税理士として「苦手だな~」と感じるのは、

 

意外と思われるかもしれませんが、私としてはこれは断然に若い「税務調査官や事務官」の人たちです。

 

とりわけ税務調査経験が1年目や2年目と聞かされると、正直気持ち的には凹みます。

 

原因は

◆法律や政省令及び法令解釈通達の理解不足

◆意思決定の権限が全く委ねられていないのでスピード感がないこと

◆社会人としての礼節を学ぶ必要のある方がたまにいらっしゃること

の3点です。

 

当然人にもよるのでしょうが、私と同じように『若手の税務調査官や事務官が一番やりずらい』と感じている税理士は少なくないのではないでしょうか。

 

税務調査官や事務官は前途ある若者ですし、何と言っても税務署長の代理として税務調査に来ているわけですから、

 

よほど失礼で非常識な人でない限り、私自身は税理士として極めて穏やかで紳士的に接しますが、

 

税理士の中には、これら若手事務官に対し高圧的な態度で臨む方もいるようです。

 

逆に、小林稔侍さんが演じた税務調査官窓際太郎のように『税務調査一筋30年』というベテランの方も非常に手強い調査官となります。

 

基本的には人情味のある税務調査官が多いのですが、語り口は穏やかでも調査結果が無慈悲な方も散見されます。

 

このような税務調査官窓際太郎的な方はお話に深みがありますので、私自身も税理士として税務調査の立会いをしていて楽しいことが多いです。

 

税務調査官窓際太郎のような人ばかりですと良いのですが残念ながら公務員という職種の中では少数派なのかもしれません。

 

将来、本ブログの読者の方に税務調査の連絡が来てしまった場合には、税務調査官がどういう肩書なのか、ぜひチェックしてみてください。

 

「敵を知れば・・・」とまでは言いませんが、事前の心構えとして役立つとは思いますので。

 

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税理士(元国税調査官) 佐川洋一

財務省主税局勤務のほか東京国税局管内の税務署統括国税調査官や国税庁主任税務分析専門官等を経て退官。テレビ出演、新聞・雑誌等メディアに掲載多数。

 

 

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