税務調査官はRSU(譲渡制限付株式)によるインセンティブ部分について無申告となっている外資系企業の会社員の方を対象として、人事異動直後の毎年7月ぐらいから積極的に税務調査を実施しています。今回はRSU(譲渡制限付株式)について税務調査専門税理士がご説明致します。
■RSUの制限解除(vest)時は原則として給与所得として確定申告が必要
■RSUの売却(sell)時は譲渡所得(分離課税)として確定申告が必要
■RSUの税務調査通知は、電話により口頭ではなく書面が郵送される場合が多い
税務調査専門税理士の佐川洋一です。
今回は法人や個人事業主を対象にした内容ではなく、外資系会社員を対象にしたRSU(譲渡制限付株式)についてお話します。
RSUについては国税局・税務署の人事異動終了後の7月~9月にかけて、集中的に税務調査が実施されており、
この時期は、私のような税務調査を専門とする税理士事務所に対する相談も急増します。
RSUとは譲渡制限付株式と言われるもので、外資系企業にお勤めの方にとっては、今や非常に身近なインセンティブの一つです。
まず、皆さんご存知だとは思うのですが、RSUの課税上の考慮点としては、付与(grant)、制限解除(vest)、売却(sell)の3段階があり、
特定譲渡制限付株式(特定と言ってもほぼこちらになります)の場合、基本的には、制限解除(vest)時に給与所得、売却(sell)時に譲渡所得となります。
給与所得者であってもどちらもご自身か顧問税理士による確定申告が必要になるのですが、
残念ながら、申告を失念してしまっている方が非常に多く、税務調査官側も躊躇なく税務調査の対象としてきます。
通常、納税者に対する税務調査の事前通知については電話(口頭)でなされるのですが、
東京国税局管内の東京、神奈川・横浜、埼玉、千葉の各税務署においては、RSUの税務調査事前通知を書面で実施することが多いです。
書面には、「平成〇〇年に外国親会社から交付を受けた株式について」と具体的に記載されていることが多いですから、
書面を受領した時点で「更正を予知」したことになる可能性が高いため、
税務調査着手までに修正申告書を提出したとしても加算税が5%に軽減されないのでは、と個人的には考えています。
この点は非常に大切なポイントです。税理士と言えどもこの辺を認識されている方はあまりいらっしゃらないのでは、と思います。
それにしても、税務調査連絡の段階で、税務調査の目的をそこまで具体的に、しかも、なぜ敢えて(電話でなく)書面で伝えるのか?
理由はいろいろとあるのでしょうが、ここでは割愛させていただきます。
弊所は税務調査専門税理士事務所となりますが、税務調査の通知が来ていない方につきましても、税務調査に関するご相談をお受けしております。
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財務省主税局勤務のほか東京国税局管内の税務署統括国税調査官や国税庁主任税務分析専門官等を経て退官。テレビ出演、新聞・雑誌等メディアに掲載多数。
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