インスタ、ティックトック、エックス(旧ツイッター)、フェイスブック等のSNSやブログ等での発信と税務調査との関係について、税務調査専門税理士がご説明いたします。
■税務調査官は準備調査段階て調査対象者のSNSやブログ等を必ず確認する
■税務調査では本当に事業として必要な接待交際費や旅費交通費なのか追及される
■法人の税務調査の場合は否認されると認定賞与かつ重加算税の対象となりやすい
統括国税調査官から税務調査の指示を受けた税務調査官が最初にすること、それが準備調査と言われるものです。
準備調査とは読んで字のごとく税務調査先に臨場する前の段階で、申告書や決算書の精査はもちろんのこと、
場合によっては店舗や事務所の外観や内観を事前にこっそりと確認しに行くことを言います。
また私が国税専門官として税務職員になったばかりの頃は考えられませんでしたが、
現在では税務調査官が準備調査の段階において、税務調査対象者のブログやインスタグラム(Instagram)、ティックトック(TikTok)、X(旧Twitter)、FacebookなどのSNSをインターネットでチェックすることが当たり前になっています。
税務調査官が調査対象者のインスタグラム(Instagram)を事前に確認したところ、「キラキラの沖縄家族旅行最高!」なんて投稿を見つけたらどう思うでしょうか。
準備調査の段階で税務調査官が、調査対象者である法人経営者や個人事業主がインスタやX(旧Twitter)などで沖縄家族旅行を投稿(ポスト)している事実をインターネットで把握している場合、
税務調査当日に税務調査官は、税務調査初日午前中の概況聴取等の段階で、法人代表者や個人事業主の趣味などについて質問した上で、
午後帳簿書類等を調べる段階で、旅費交通費や接待交際費などの科目を重点的に追及してくるでしょう。
仮に帳簿書類に「沖縄出張費」あるいは「沖縄得意先接待費」などという名目で損金(必要経費)として計上されていたとしたら、
税務調査官からホテルの宿泊費や往復の交通費などの領収証の提示を求められるのはもちろんのこと、さらに旅程表の内容についても細かに追及されるのは明らかです。
私の知り合いにもインスタグラムへの投稿を欠かさない方がいますが、
これでもかと言わんばかりのインスタ映えする写真のポストをネットで閲覧すると、どうしても税務調査の目線で見てしまい、
一体どれだけ稼いでいるのかな、と思ってしまいます。
納税者本人や税理士により提出された申告書は順次税務署内でチェックされ、内容的に疑義のある申告書については税務調査の対象となります。
SNSやブログでの発信から1年以上経過していたとしても、このように税務調査官により毎年申告書がチェックされていますので、
同規模同業者と比べ接待交際費や旅費交通費が異常に多額では、などと思われてしまうと、
『ではこの人のSNSやブログをネットでチェックした上で問題があれば税務調査の対象にしよう!』となることがしばしばあり得るのです。
税務調査においてこのような接待交際費や旅費交通費が損金(必要経費)として否認されてしまうと、
法人に対する税務調査の場合が多いのですが、税務調査官の事実認定次第では本税の追徴のみでなく重加算税が賦課決定される可能性もあります。
税務調査専門税理士としてお伝えしたいのは、プライベートな旅行と事業として必要な交際費や出張費とを混同することなく明確に区分し正しく申告すべき、ということです。
財務省主税局勤務のほか東京国税局管内の税務署統括国税調査官や国税庁主任税務分析専門官等を経て退官。テレビ出演、新聞・雑誌等メディアに掲載多数。
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