売上計上漏れ(期ずれ)と税務調査

今回は売上計上漏れ(いわゆる期ずれ)と税務調査の関係についてご説明いたします。

【結論】税務調査で『期ずれ』を指摘されたら税理士に売上原価を確認してもらう

■売上計上漏れ(いわゆる期ずれ)は原則として重加算税対象ではない

■税務調査対象事業年度(年分)の翌年に認容されるので税負担は変わらない

■税務調査で期ずれを指摘されたら対応する売上原価の算出を税理士に依頼

税務調査官は『せめて売上漏れ(期ずれ)でも』と思っている

基本的に税務調査官は、重加算税の対象となるような不正計算の端緒を把握することに重点をおいて税務調査を行います。

 

しかしながら、調査件数に占める重加算税の賦課決定割合は約20%程度にすぎません。すなわち、税務調査において約80%の法人(個人事業主)は重加算税を賦課されないのです。

 

不正計算が無く重加算税を賦課出来ない場合、税務調査官は「せめて期ずれでも把握したい」と考えます。

 

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税務調査官は『期間損益の問題』も指摘する

売上計上漏れ(期ずれ)と税務調査

「売上計上漏れ(期ずれ)」とは期間損益計算が適正で無い場合(すなわち期間損益計算がずれている場合)を指す言葉で、通常であれば(重加算税でなく)過少申告加算税の対象となるものです。

 

 

税務調査で問題となるのは、調査対象となっている期に計上すべき売上や棚卸が翌期に繰り延べられているケースです。

 

 

この場合税務調査官は、「これは調査対象となっている期における売上計上漏れ(あるいは棚卸計上漏れ)ですから所得金額に加算して修正申告書を提出して下さい」と言ってきます。

 

 

税法上、売上は「原則として商品を引き渡した時点」で計上する必要があります。例として12月決算の法人であれば、令和4年12月31日に商品を引き渡し、令和5年1月31日に請求書を作成・相手方に交付し、振込入金が令和5年2月28日だったとしても、あくまで令和4年12月の売上として計上する必要があるのです。

 

 

売上原価が認容可能なことを知らない税理士もいる

今回私がお伝えしたいことは、税務調査官に売上計上漏れ(期ずれ)を指摘された場合の対応方法です。

 

税務調査官からこのような指摘があった場合、仕入や外注費等の売上原価について見直しをすることが必要です。漏れを指摘された売上に対応する原価が翌期に計上されているようでしたら、必ず調査対象期に遡って認容してもらいましょう。

 

税務調査専門税理士としての経験上、意外と顧問税理士でさえ売上原価の認容を税務調査官に申し出ない場合があります。

 

申し出さえすれば税務調査官は「対応する売上原価が翌期に計上されているようでしたら認容しますよ。」と親切に言ってくれませんので注意が必要です。

 

例えば、売上計上漏れ100万円を指摘された場合、必ず仕入・外注費等の原価について確認することが必要です。仮に、仕入80万円が調査対象期において認容されれば、増加する所得金額は20万円(100万円-80万円)となりますので、追徴税額が大幅に減額されます。

 

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税理士(元国税調査官) 佐川洋一

財務省主税局勤務のほか東京国税局管内の税務署統括国税調査官や国税庁主任税務分析専門官等を経て退官。テレビ出演、新聞・雑誌等メディアに掲載多数。

 

 

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