【可処分所得とは】
税務調査専門税理士の佐川洋一です。
今日は、「可処分所得」についての話です。
個人事業主に対する税務調査においては、しばしば調査官から「事業に関係ないこと」を聞かれることがあります。
たとえば、完全に個人的な支払いである年間の生活費(居住用家賃・お子さんの学費・食費等々)なんかを聞かれたりします。
実は、この点は仕事のできる調査官ほど聞いてきたりします、、、。
税務調査専門税理士である私としても、この点を詳細に聞き取ってくる調査官には、若干警戒したりします。
これを聞く目的は、もちろん調査官の個人的な興味などではありません。
何故聞いてくるかと言うと、納税者の「年間可処分所得」と比較したいからなのです。
例えば、決算書において、年間収入1000万円・年間経費800万円の場合、この納税者の年間利益(年間可処分所得)は200万円になります。
この金額(200万円)こそが、この納税者にとって一年間で自由に使えるお金の上限であるはずです。
基本的に、200万円を超える支出をすることは、家庭が破綻してしまうので不可能なのです。
仮に、この納税者の個人的な生活費が、居住用家賃250万円・お子さんの学費150万円、家族の食費100万円だった場合、合計で500万円となりますが、
これでは、年間の生活費(500万円)が年間可処分所得(200万円)よりかなり多いですよね。
普通に考えたら、他に不動産収入や借金がなければ生活出来るわけがないのです。
調査官の立場からすると、「ではどうやって生活を維持してるのか?」ということになってしまいます。
「本当はもっと収入があるのでは?(逆に、本当はもっと経費が少ないのでは?)」と勘繰ってしまうことになり、
結果として税務調査が長引いてしまうことがしばしばあります、、、。